まさかの逆まさかり

放浪の旅の途中、久しぶりにレンタルDVDショップに立ち寄った。
そこで、『機動戦士ケンダム』というアニメのDVDを借りた。

宇宙世紀OO79。第192回オールジャペンけん玉道選手権大会。
決勝戦は、地球連邦代表のアムロ・礼とジオン公国代表の西・アズナブル。
アムロは、準決勝で負傷した選手の代わりに出場することになった。だが、アムロはこれまで、けん玉大会に出場したことがない。
そこで、少しでも有利になるようにと、司令官はアムロにイワタ木工の『夢元無双インフィニティ・木組み』を渡した。

第一種目の選技は、まさかり。
すでに、先攻のシャアは成功させている。ここで、アムロが技を決めなければ、地球連邦はかなり不利な状況に追い込まれる。

審判「アムロ選手、一回目、始め!」

アムロ「おりゃっ!」

ふりっ!

西「ふっ、けんの角度が悪い。失敗だな」( ̄ー ̄)ニヤリ

アムロ「と、止まれーっ!!」

カッ!

西「な、なにぃっ!?」

アムロのけんは若干不安定ながらもなんとか静止している。このまま3秒経過すれば成功だ。

西「させるかーっ!!」

そうはさせじと西がアムロに足払いを食らわせる。玉を持ったままバランスを崩し、転倒するアムロ。

アムロ「うわーっ!!」

ところが次の瞬間、

西「えーい!連邦のけん玉は化け物か!?」

ふー。バカバカしい。
いくら、スーパーけん玉『夢元無双』とは言え、けんが玉に吸い付くなどありえない。『ひっつきむし』じゃあるまいし。まあ、無重力の宇宙空間なら、絶対にできないとまでは言えないが。

ぶつぶつ文句を言いながら、私は夢元無双を手に取り、玉の上に「まさかり」の状態でけんを置いた。

そして、ゆっくりと玉を傾けていった。

「こんな風にくっつくなんて、ありえ・・う、うおっ!」

なんと、玉が落ちない。実は、玉がくっついているのではなく、大皿のふちが玉の穴に引っ掛かっているのだ。と言っても、絶妙な位置関係で引っ掛かっているため、ちょっと揺らすと玉は落ちてしまうが。

その時、もしやと思い、「まさかり」の技をやってみた。すると、4、5回失敗したあと、なんと成功してしまった。

けんを玉の上に乗せるのではなく、大皿のふちが玉の穴に引っかかるような感じでやると、上手く出来るみたいだ。それにしても、まさか自分で「まさかり」が出来る日が来るとは。

さらに技を続けていると、なんと一回転まさかりができてしまった!

恐るべし、夢元無双。
恐るべし、イワタ木工。